「邪宗門 荻窪店」でマダムが守り続ける邪宗門グループの灯
荻窪に観劇に行くことになり、荻窪 邪宗門に入るチャンスがいよいよ到来したか、と心が躍りました。
「邪宗門 世田谷店」に行ったのは半年前のこと。そこでは隠れキリシタンの遺した貴重な品々や、様々な骨董品を拝見することができたのでした。
「邪宗門 荻窪店」へは、以前訪ねたことがあるかも、と思っていたのですが、店構えを見て初めてだと分かりました。
すると、以前一度訪れた、沢山の時計に囲まれた小さなお店は、今は無き国立店だったのでしょうか。
ちょうどマダムが何かの用事か、表へ出てきたので挨拶をし、入口の写真を撮ってから扉を開けると、様々なものが置かれた店内の右側にキッチンが。
奥に席があるようでしたが、1階は客席としては使われていないようでした。
「お二階へどうぞ」の声に促され、古びた階段を登ります。何だか、中野クラシックを思い出しました。
2階には木の椅子とテーブルが20席程。空間は温かい光を放つ様々な形のランプと柱時計、額に入れられた何点もの絵画、そして本と漫画で埋まっていました。
レトロ喫茶には良くあることですが、様々なものたちが時の洗礼を受けて場所にしっくりと馴染むのか、とても統一感のある美意識を感じられる空間です。
絵画も新旧の版画、複製画、印刷物などが混ざっているのですが、いずれも違和感がないのです。
お客も、老紳士にカップル、赤ちゃん連れの母親、クラシカルな装いの令嬢と様々ですが、皆とても居心地が良さそうです。
店内に流れているのはスタンダードなジャズで、システムが良いのか、とてもまろやかな音でした。
古びたメニューを捲り、邪宗門ブレンド(470円)とホットケーキ(330円)を頼むと、ホットケーキが品切れとのこと。
それでチーズトースト(250円)にしました。
フードメニューは手の込んだものではないのでしょうけれど、それにしてもお安いです。
マダムは随分ご高齢のようなので、お一人で切り盛りするのは大変なのではないかと思いました。
結構時間が経ってから、コーヒーとトーストが運ばれてきました。
お味は、まあレトロ喫茶によくある感じです。
でも、良いのです。このお店の価値は味にあるのではありません。
「おかげ様で○○年」
来年も、この文字を見られますように。
※邪宗門 荻窪店
住所:東京都杉並区上荻1-6-11
電話番号:03-3398-3411
営業時間:16:00位~22:00、不定休
URL: http://www.jashumon.com/index.htm