シェアリングコーヒー店「珈琲 笠間」にて侘び寂びを知る
吉祥寺の路地に見つけた、蔦の絡まる雰囲気の良いビルに、「珈琲 笠間」という木製の看板を見つけました。
階段を上ると、シャビーな白い扉。
期待を持って扉を開けると、中はアパレルショップのような設えで、実際に値札を付けたアクセサリーなどが展示されています。
壁にはセンスの良い写真作品が並び、アコースティックギターの曲が流れるソフィスティケートされた雰囲気。
中心部には落ち着いたソファー席が幾つか用意されていますが、お客で埋まっていて、奥のカウンターを案内されました。
アーティストっぽいマスターと女性のスタッフさんが、お店を切り盛りしています。
小さ目のコップで白湯を出して下さり、それだけでもう、このお店が他の喫茶店とは違うのが分かります。
ここ「珈琲 笠間」は「GALLERYBAR CHURCHWOOD」を間借りした形で、2020年9月にオープンしたばかり。
カウンターには湯こぼしなどの茶道具が並んでいて、そういえばこのお店のシャビーシックな雰囲気は、侘び寂びに繋がるんじゃないか、などと思いました。
書状のように折り畳まれたメニューを開くと、ストレートコーヒーのメニューが縦書きで並びます。
ラインナップは、
エチオピア ナチュラル -華-、スリランカ、インド、コロンビア、ケニア、エチオピア ナチュラル -侘-。
そして豆を選んだ後は、「粋」「充」「風」と3段階になっている濃さを選びます。
お値段は、豆と濃さによってそれぞれ異なります。
ネルドリップ・深煎りが売りのコーヒーのようなので、ケニアの「粋」(770円)を選びました。
お茶請けに、数種類のスイーツからスコーン(280円)を頂くことにしました。
マスターはじっくり時間を掛けて丹念に、ネルの茶こしにお湯を注いでいます。
やがて、2客の蕎麦猪口に淹れられたコーヒーが、目の前に並べられました。
「こちらが最初の方に淹れたもので、こちらが最後の方です」
最初の抽出液はこっくりと濃く、甘味が覗きます。
後の方は薄めでスッキリしていますが、やや雑味が混ざる感じ。
マスターと他のお客様との会話によれば、店内で販売している自家焙煎の豆は、パッケージの絵もご自身で描かれたそうです。
ナッツがザクザク入っていて、ロックケーキのような口当たりのスコーンは、間違いなく紅茶よりもコーヒーに合います。
吉祥寺にはお気に入りのお店も沢山ありますが、新たに思いがけず拘りの感じられる、コンセプチュアルなお店を発見して、嬉しくなりました。
※珈琲 笠間
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7
営業時間:12:00~16:30、月・火休
URL:https://coffeekasama.stores.jp/