若者の街にあるアットホームな休憩所「カフェ ハピネス」
原宿の裏通りにある裏原宿と呼ばれる一帯、原宿通りやキャットストリートの周辺には、個性的なセレクトショップやお洒落なアンテナショップ、流行りのスイーツやグルメのお店が点在します。
いかにもインスタ映えしそうな可愛らしいショップが立ち並ぶ中、ふと目に留まった、くるくるしたアイアンのオブジェが窓のところに掲げられた喫茶店。
「看板なのかな?」と思いながらも、文字は読み取れず。
中を覗き見ると、かなり家庭的な雰囲気の小さなお店のようで、こんなところにもレトロな喫茶店が!と新鮮な驚きを感じ、入ってみようという気になりました。
十数席の店内はかなり埋まっています。
かなり控えめなボリュームで流れていた音楽は、ニューミュージックだったかな?いまいちジャンルが特定できませんでした。
今っぽいハイトーンカラーの髪色のスタッフさんが、メニューを持ってきて下さいました。
コーヒーがアメリカン(500円)、マイルドブレンド(520円)の2種類というのが少し不思議です。
デザートの日替わりケーキ(400円)は何かな、と聞こうと思ったところで、その下に「世界のオヤツ」(180円)というのがあるのに気づきました。
「ドリンク注文のお客様のみご注文頂けます。内容がどんどん変わりマス。スタッフまで。」と書いてあります。
そんなにお腹が空いていない今の私には、ちょうどいいかも?と思い、「これは何ですか?」と聞いたところ、「今はブルガリアのチョコレートか、ロシアの『赤い十月』というチョコレートです」とのお返事。
「赤い十月」というネーミングに惹かれ、マイルドブレンドと一緒に、それを頼みました。
隣のテーブルでは、学生らしき男女4人組が、「これからどこへ遊びに行く?」としきりと計画を練っています。
その会話を聞くともなしに聞きながら、きっとバブル華やかなりし頃も、若者たちはこんなお店に集まってはだべっていたんだろうなあ、などと思いました。
やってきたマイルドブレンドは、すっきりした味わいです。
木の葉の形のお皿に盛られた3個のチョコレートは、熊や栗鼠の模様の包み紙がとても可愛らしい。
食べてみるととても甘く、カカオ以外のものが色々入っているようで、ちょっと駄菓子っぽいお味。
しかも、それぞれに味が違うのです。
店主さんらしき女性に聞いてみると、何でもこのチョコレートは30数種あり、下北沢かどこかのカルディだけで扱っているとか。
礼文島の小学校では、給食に出てくるのだそうです。
「身内が旅行会社に勤めているので、色々な国のお菓子が手に入るんです」ということです。
レトロ喫茶ブログの取材とお話しすると「うちなんて全然レトロじゃないですよ」と仰います。
最近できたお店と思い込んでいた私は「いいんです、レトロな雰囲気の新しいお店も取り上げてますので」と答えたところ、「でも、もう37年になります」と仰るので驚きました。
店主さんは2代目だそうで、壁紙などは新しくされたそうですが、37年は立派なレトロ喫茶です。
「この辺はオリンピックの影響で地価が上がって、個人のお店はもううちだけです」とのこと。
個人経営の店舗が生き残るのは、本当に大変な時代だと思いますが、頑張って続けて欲しいなと思いました。
※カフェ ハピネス
住所:東京都渋谷区神宮前6-9-3
電話番号:03-3486-8970
営業時間:12:00~20:30、火休