極上の空間「茶房 珈路」にて、逸品の茶器で至極の一杯

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「珈路」は「こみち」と読みます。
コーヒーの漢字表記から取られた当て字の店名は、レトロ喫茶店によく見られるもの。
そう、このお店は1976年(昭和51年)創業の、れっきとしたレトロ喫茶。
しかし驚くなかれ、ここはメニューに農園名が記載された、シングルエステートに拘ったコーヒー専門店なのです。
サードウェーブを一体何年先取りしていたのでしょうか。

少し肌寒い休日の夕方、ちょっと寄り道のつもりで立ち寄ったこのお店。
階段の途中には、「珈琲茶房 映画舘」という、大正時代のものだという、木の板を使った看板が飾られています。


扉を開けた瞬間、呆気に取られました。


そこは、銀座にでもありそうな、高級な骨董店のギャラリーのような、或いは一流ホテルのラウンジのような、絨毯が敷かれ立派な壷や大皿が飾られた、ゆったりしたテーブル配置の空間。


掛かっている絵は、ミュシャやロートレックのポスター、流れているのはジャズアレンジのインストゥルメンタル曲です。


カウンターか一番端のテーブルへどうぞ、と案内され、店内を見渡せる端のテーブルへつきました。


メニューには農園名が25ほども並んでいます。
私はブレンドコーヒーを頼むことが多いのですが、そのお店のオリジナルブレンドが一番のお勧めなのかな、という判断からであって、ストレートコーヒーから記載されているメニューの場合はストレートコーヒーを選びます。
ましてや今回は、そうそう飲めないようなスペシャルティコーヒーが選び放題なのですから、頼まない手はありません。
「程よい甘味と風味」と書いてある、エルサルバドルのマリーナ農園(800円)を選択しました。
ちなみにブレンドコーヒー一番安いソフトコーヒー(570円)から一番高いマスターコーヒー(1000円)まで5種類あります。
コーヒーのお値段は、900~1000円くらいのものが殆どでした。
「今日のお菓子」に、写真で見て気になっていたフォンダンショコラ(450円)があったので、そちらも頼みました。


カウンターには常連らしい上品な女性が、マスターとマダムとの会話に興じています。
私の好きなハワイコナをマスターに勧められて注文しているようでしたが、メニューには無かった気がしますので、秘蔵の豆なのかもしれません。
さて、運ばれて来た珈琲は、伊万里焼のコーヒーカップに注がれていました。


煎りは浅めで、甘味よりは酸味を感じました。豆に合わせた焙煎という感じがします。


フォンダンショコラは品の良い苦味。小ぶりながらとても密度が濃いので、充実感があります。

帰り際にマダムと少しお話しました。
カップはやはり、有田、伊万里、唐津など、全て日本のやきものとのことでした。


細部に至る拘りに感動したことをお伝えすると、「好きでやっているだけですから」と謙遜したお言葉。
長くやっていても、段々と手を抜いてしまうお店も残念ながらある中、好きを貫いて44年営業出来ていることが、凄いことだと思うのです。
また絶対に寄らせて頂きたい、と思う、本当に貴重なお店でした。

※茶房 珈路
住所:東京都練馬区石神井町3-18-6
電話番号:03-3995-9758
営業時間:10:00~20:00、月、火休
URL:https://www.facebook.com/pages/%E8%8C%B6%E6%88%BF-%E7%8F%88%E8%B7%AF/197748073606461

茶房 珈路

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