これぞという純喫茶の内装を浅草で楽しもう「喫茶ブラザー」
こんにちは。ライター瑠璃です。
浅草と言えば多くの人が思い浮かべるのが「雷門」「浅草寺」であろうか。
メトロのある浅草駅のある墨田川側よりももっと西側に位置する河童橋道具街の方面まで足を運んでみた。
と書くとメトロの浅草駅から徒歩15分の距離で遠いような気もするのだが、10数年前に開通したつくばエクスプレス浅草駅からだとすぐなのである。この日はつくばエクスプレスを利用して浅草へ行ってみた。
駅を出ると大型ディスカウントショップやお土産屋、飲食店も目立ち、このあたりでも外国人観光客は多い。
名物は浅草の演劇関連の劇場や場外馬券場であろうか。それから凌雲閣跡地としても有名。
国際通り沿いを北側に向かって歩くと道を入った小道に喫茶店を見つけた。実は私はこの記事を書く際は事前に地図を見てレポートするお店を決めているのだが、この日はノープラン。
しかし駅から数分も歩いたところで「いかにも」な喫茶店を発見。
アールの効いたケースの中に食品サンプルが並ぶ。
ランチの時間(14時まで)は終わりとのことだがひとまず店内に入ってみることにした。
中に入ると、内装もレンガを基調とした上品なつくり。
この彫刻入りのガラスとアイアンに囲まれた照明がレンガの壁に並ぶ姿はたまらない。
席は8席、全席で喫煙可だが、店内は綺麗に隅々まで掃除がいきわたっている。
ランチの時間も終わって、お客さんはすくなく、マスターも客席で座って一息ついている模様。
話しかけるなら今かなと思いつつ、メロンソーダを注文。
マスターの見た目、「喫茶店のマスター」にしては(偏見?)強面である。ノリのきいたストライプのカッターシャツにスラックスにパンチパーマ。
そんなマスターに持って来ていただいたメロンソーダ。
一気に飲み干してしまった。
そして「今だ」と思いマスターに話しかけてみる。
店名の由来とか人気メニューなど当たり障りのないことを聞いたのだが、ぶっきらぼうな返事が返ってくるばかり。「これはまずかったかな・・・」と思っていた矢先、
マスターがこのお店が開店した頃(昭和42年)の浅草を話をしてくれた。
「その頃はなあ、今みたいに観光客ばかりできれいな街じゃなかった。」
テレビが一般家庭に普及する前、この辺りに立ち並んだ映画館には大勢の人が並んだそうだ。そのため、この辺には喫茶店が乱立していたそう。映画に行く前の待ち合わせ場所にしたり、映画が終わった後の感想を話したりしたのだろうか。
治安はあまり良くなく、マスターも通りを歩くといちゃもんをつけられ喧嘩していたとか。
映画のナイトショーのある日は明け方まで始発を待つ人で喫茶店は賑わっていたそうだ。
「ほらよ。」
マスターがくれたマッチ箱には「24時間営業」の文字が。
かつてこの喫茶店も24時間営業していた名残であろう。
ランチメニューが写真つきで紹介されている立て看板を見たかったので店の入り口まで行くと2階へ続く階段を発見した。
「準備中」の文字があるが特別に案内してもらった。
驚いた。
20以上はあるテーブルと客席、赤のベルベットのソファ席とアンティーク調(否、もうアンティークだ)の椅子の席の2つの空間がある。タイムスリップしたかのような錯覚に陥る。
2019年6月のカレンダーが今わたしは令和の時代にいることを唯一知らせてくれる道具だが、そのカレンダーが未来から来た手紙のようにも感じる。
それに、2階もテーブルの上はもちろん、床まで綺麗だ。マスターがいかにこの店を大切にしているかがうかがえる。
2階席は準備中でも許可をとれば使用して良いそうだ。
今度はランチタイムにお邪魔しよう。
・・・おまけ
入口にある競馬の馬券のマークシート。
はす向かいに場外馬券場がある。大きなレースのある土日はお客さんが多いそう。
ゆっくりと静かに昭和にタイムスリップしたいのならあらかじめ競馬のレース情報を見ておくか、平日に行くことをおすすめしたい。
・・・おまけ2
「純喫茶」と「喫茶」の違い
開店当時は「お酒を出さないお店」を純喫茶と呼んでいたそうだ。「ブラザー」も純喫茶と書いてある。
これはマスターに教えてもらった。
喫茶店ライターなのに知らない私は恥ずかしかったが、あの強面マスターが最後はいろいろと話してくれて嬉しかった。
※喫茶ブラザー
東京都台東区浅草2-13-2
営業時間 平日・土日 7~19時(もー