人情の味がする。だからこその老舗。浅草特集「デンキヤホール」
今年の｢浅草特集｣の〆としてここに綴りたい。
私が浅草喫茶店特集をするきっかけとなった店がここだ。
創業年数もさることながら、店名や、喫茶店にも関わらず名物が｢ゆであずき｣
そして数ヶ月前に、
これはしばらくお客さんが増えるかなと思い、
つくばエクスプレス浅草駅よりひさご通り商店街を通り、(
千束商店街を進むと見えてきた。
冬の夕方は店の灯りが眩しい。
L字型の店内で奥の方の席にテーブルゲームが置いてある。(
80年代にブームになったゲームの復刻版と書いてあるが、
そう思っていると隣の席に来た大学生と思しき人々は｢
お店はマスターと女将さん2人で切り盛りしているようだ。
ひとまず、名物の｢ゆであずき｣を注文。
ゆであずき（550円）
甘さの中にほんのり塩加減が効いている。
ほんのり暖かく、身体に沁み渡る優しさだ。
空腹のスイッチが入ったのか、追加で｢オム焼きそば｣と｢
オムマキ（オム焼きそば）、麺が少し扁平だ。
ゲーム台の上で食べるので何だか行儀の悪いことをしているような気になる
キャベツがしっかりシャキシャキしていて食べ応えがある。
こちらの焼きそばの麺は製麺所に特別にこの太さで頼んでいるらし
写真にはないが、何種類かの七味も付いてくる。
さてデザートに「もう一度食べたいな」と思いクリームあんみつを頼んでしまった。
既に満腹に近いのではあるが「別腹」とはこのことだ。
テーブルに運ばれてきて急におなかが減る感じがした。
クリームあんみつ（630円）
大粒のゆであずきとバニラアイス、下には葛餅。特製の黒蜜をかけていただく。
季節問わず美味しいと感じるであろう。
甘党でない私もこれには舌鼓を打ち続けた。
最後に少し苦みのある珈琲をゆっくり味わった。
他のお客さん達は漫画を読んだり友人と談笑したりしている。
コーヒー（480円）
実は｢デンキヤホール｣、オム焼きそば（※こちらの店舗では「オムマキ」という商品名だ）の発祥の店らしい。
1903年創業時は家電屋として創業していたが(店名の由来)、
関東大震災、そして大戦で2度も店を消失し、再建した後、初代オーナーがお祭りでの出店の焼きそばを見て｢
大正時代の扇風機。
また、ゆであずきが名物なのは、
それにしても、
そして(良い意味で)話し声が大きい。
初めはレジ打ちをしてくれた女将さんと話していたが話し声を聞い
私は九州の人間だが、浅草は地元にいるようで落ち着く。
その話を女将さんにすると、
｢それねぇ、関西の芸人さんもみんなそう言うのよ、
100年近く前のノリタケ。ノリタケの美術館に展示しているものと同じものもある。
この近辺はお笑いや噺屋さん向けの演劇場が多いため、
そして、店もサイン色紙が少ない事に気付く。(
女将さん、｢皆さんご好意で、プライベートでいらしてるからね、
｢でもね、テレビで芸人さんがたまに紹介してくれるの。
人情とか粋だとか、そんなものが一気に心に流れ込んできた。
お店にあるものも常連さんからいただいたものが飾られている。
この喫茶店を贔屓にしている芸人さんもテレビで｢
ちょっと疲れ気味の時に足を運んでもらいたい場所がひとつ増えた
もちろん、疲れていなくても行って欲しい。
発祥の地の麺にまでこだわった｢オム焼きそば｣か、名物の｢
今年は珈琲と公衆電話の撮影技術が上達したように思う
さて私の今年の記事は今回で納めることにしよう。
おあとがよろしいようで。
※デンキヤホール
東京都台東区浅草4-20-3
03-3875-2987
9：00~21：00
水曜日定休
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