神保町一の老舗「ラドリオ」で、異国情緒に浸る夜

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私は5月から月一回、神田神保町の「スピノールギャラリー」でオカルティズム講座というものを開講しています。
帰り道にある壹眞珈琲店へは、毎回のように寄っているのですが、折角レトロ喫茶の林立する神保町に通っているのに取材しないのは勿体無いなと、今回少し余裕があったので開始前に「ラドリオ」へ寄ることにしました。

ラドリオの創業は1949年(昭和24年)。
向かいにある同じ経営者が始めたという「ミロンガ・ヌオーバ」は1953年(昭和28年)、同じく老舗の「さぼうる」は1955年(昭和30年)と言いますから、神保町でも最古の喫茶店ということになります。
煉瓦造りの入口はまるで異国に迷い込んでしまったかのよう。


何となく、パリのシャンソニエを思い浮かべましたが、それもその筈、昔はシャンソン喫茶だったのだそうです。


やはり煉瓦敷きの通路を奥まで進むと、赤いビニールレザー張りのソファの並ぶ背後の赤いカーテンには小さなスクリーンが設置され、プロジェクターで映像が投影されていました。
「ラドリオ」が紹介された番組のようです。


カウンターの向かいには作りつけの本棚。そして舞台や映画、美術展のチラシが沢山。土地柄だけあります。


珍しかったのは、ラドリオのロゴやシンボルマークをあしらったステッカーや缶バッヂが売られていたこと。
ファンが多いお店なんだなあ、と思います。


お席も当然のように、7割位は埋まっていたでしょうか。
流れていたのは昭和中期くらいと思われる歌謡曲。


メニューを見ると、ランチセットが「ラドリオ特製 チキンカレー」と「特製ソース ナポリタン」(サラダ・スープ・コーヒー付 950円※)。
ケーキセットは670円※。「本日のケーキは店員におたずね下さい」とあります。
※外税です

嬉しいのは、コーヒーがブレンド・ウィンナー・アイスコーヒーから選べるということ。
というのも、ここラドリオは日本で初めてウィンナーコーヒーを出したお店なのだそう。
ケーキを尋ねてみたところ、今日はパウンドケーキのバナナ、モカ、レモンとのこと。
ナポリタンとモカのパウンドケーキセットを、相方はウィンナーコーヒー、私はブレンドコーヒーでオーダーしました。

私たちの隣のお席が、まるで個人の書斎のような感じで可愛かったです。


まず、スープとサラダが運ばれてきました。
トムヤムクンのような辛酸っぱいスープと、コーンが沢山入ったイタリアンドレッシングのかけられたサラダ。
続けて運ばれてきたドリンクの、ウィンナーコーヒーのクリームの量にびっくり。


絞り方がまた美しいのです。
コーヒーは酸味がほぼなく、かなりの香ばしさ。


そしてナポリタン。具はピーマン、玉ねぎ、ベーコン。麺は太すぎずモチモチで、ソースもしっかり絡んでいます。
味にうるさい相方からも、これは美味しいと好評でした。


パウンドケーキは大人の味。ポロポロ崩れるのがちょっと惜しい。
神保町のレトロ喫茶の層の厚さを思い知り、これからの取材が楽しみになりました。

※ラドリオ
住所:東京都千代田区神田神保町1-3
電話番号:03-3295-4788
営業時間:[月~金]11:30~22:30、[土・日]12:00~19:00、祝休

ラドリオ

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