「ベルミネット」の窓辺の席で、少女漫画の世界に浸りたい

2019/4/30 2019/5/3 世田谷

用賀駅南口を出てすぐ、こんもりとしたジャスミンの繁みに綾取られた白い建物に目を惹かれました。

見ると、かつてはお洒落なお店として持て囃されたのではないかと思われる、懐かしい雰囲気の喫茶店です。

昭和40年代くらいの少女漫画では、主人公がこんなお店でレモンティーを飲んでいたのではないでしょうか。
他のお店を探していたのですが、見当たらなかったのでこちらに入ってみることにしました。

店内はどことなくリゾート感のある、カジュアルな椅子とテーブル、観葉植物。

店内は禁煙のようで、灰皿が見当たりません。
流れているのは、リチャード･クレーダーマンなどのイージーリスニング。
女性のスタッフさんがお二人でやっていらっしゃるのも、お店の雰囲気と合っています。
店内の装飾で目立つのは、作り付けの飾り棚です。
チーズトーストのドリンクセット(820円)を、ブレンドコーヒーで頼みました。

シンプルな白いカップに入って出てきたコーヒーは、ごく普通の美味しさ。家で淹れるコーヒーという感じです。
サラダの添えられたチーズトーストも特に特徴はありません。少しパンが薄いかな？
写真撮影の許可を頂き、棚に近づいて見てみると、飾られているのは彩色された各国の建築物が描かれた、イヤープレートのようでした。

イヤープレートとは、陶磁器メーカーで毎年クリスマスの時期などに発売される、シリーズものの絵皿のことで、ロイヤル･コペンハーゲンのものが有名ですが、他にもウェッジウッドやマイセン、リチャード・ジノリ、ロイヤル・ドルトン、アラビアなど色々なメーカーから発売されています。
「どこのメーカーのものですか？」とスタッフさんに尋ねると、ローゼンタールとのことでした。
ローゼンタールのイヤープレートが飾られているのを見るのは、初めてかも知れません。
イヤープレートやデミタスカップと一緒に、浮世絵や兜が飾られているのが少し不思議ではありましたが。
ジャスミンの花の香る春の一日、少しロマンチックな気分を味わえた午後でした。