ごく一般のお宅のような「珈門」、お味は確か

北池袋のあたりを歩いていて、どこかでランチをしようと思った時に目に付いたのが、ここ「珈門」。

入口が少し奥まっていて、店内の様子も分かりにくい為か、「やってます」と大きく書かれた板が、入口の脇に立てかけられています。
灼熱の屋外から避難するような気持で扉を開けると、対比的に薄暗い店内。

照明が蛍光灯なので、余計に侘しい印象を受けます。
煙草の匂いの漂う店内は広々としているものの、日用品が雑然と置かれていて、まるで普通の住宅のリビングのよう。

マダムとお客様とのお喋りも、近所の人をご自宅に招いたかのようでした。
メニューからフードを探すと、スパゲティセット(1200円)とパンセット(800円)があります。
暑すぎて食欲もあまりなかったので、パンセットを選びました。
それでも、コーヒーはホットです。

私の座った席の横にはカレンダーが掛かり、その上には額縁に入れられた100円硬貨のセットが。
複製画なのか、油絵の額などもありました。

出てきたパンセットにはスクランブルエッグとレタス、プチトマトが添えられ、箸がついています。
まあこんなものだろう、と口に運んでみてびっくり。
パンの焼き具合、食感、バターの染み具合、すべてが絶妙なのです。
スクランブルエッグの味付けや火の通し方も、ちょうどよくて美味しい。

コーヒーもやや薄めながら、しっかりと淹れられています。
これなら決して、一般家庭レベルの料理とは言えません。
小さな音で流れている音楽が遊園地で流れているような楽し気な曲だったこともあり、最初の印象からは一変して、特別感のある時間を過ごせた気分になりました。

※珈門
住所：東京都豊島区上池袋1-11-9 1F
電話番号：03-5394-5120
営業時間：9:30～17:30