常に満席、飽きることない空間「ロッジ赤石」
ライター瑠璃の浅草特集です。
今回は千束通りの商店街より少し住宅街に入ったところにある「ロッジ赤石」を紹介したい。
花やしきの周りを散歩して夕方でももう夜のように暗い季節になったと感じながら歩いていると、ひときわ目立つ光。
以前より気になっていたお店である。ボルドーにエメラルドグリーンの文字で店名が書いてある。お店の窓や食品サンプルの陳列棚からの明かりがまぶしい。
店内に入ると土曜の夕方であるためか満席であった。テーブル席が7席とカウンターだ。
まずメニュー表を見て食事メニューの多さに驚く。
なぜか浅草の喫茶店では食事メニューに「丼もの」が多いのだが、やはりそれは時間のない芸人さん達が立ち寄るために、早い時間で満腹になるためであろうか。(などと想像してみる)
少しの間、店内が空いたタイミングを見計らって写真を撮らせてもらった。年季の入ったカウンター席、ここも人気の席みたいでこのあとすぐに埋まってしまった。
シャンデリアや「床のような天井」、それから飾られているゼンマイ式掛け時計など昭和40~50年を思わせるものが多い。どれも調和がとれているので、ごちゃごちゃした、というよりも趣味の良い骨董品店のようでもある。
(余談、筆者は幼少期、家族の中でゼンマイ式時計の巻き係であった。)
さて、前回の記事でも触れた「喫茶店の定番メニュー」のひとつでもある「ソーダ水」なのだが、こちらではメロンソーダだった。
他の喫茶店の場合は、例えばレモン味の炭酸水だったり、サイダーのようなものだったりと様々だ。
店内から外を照らす大きな窓際に座っていると通行人とよく目があう。皆、やはりこの店の明るさと店内のレトロさにひかれるのだろうか。
ソーダ水とは言いつつも珈琲も注文。少し苦め。しかしホットコーヒーがより美味しい季節にな。
そして、他のお客さんも頼んでいたたまごサンドも。
このたまごサンド、卵焼きがサンドされています。味付けは甘めです。珈琲に合わせるためなのだろうか。
そう言えば九州北部のサンドイッチも甘い味付けで、その理由は長崎~京都までのシュガーロードの周辺は砂糖が手に入りやすかったため普段から庶民も味付けによく砂糖を使ったという話を聞いた。
サンドイッチをほおばりながら故郷の九州に思いを馳せつつ、マスターに店名を聞くタイミングを伺っていたが、この日はひっきりなしにお客さんが入っては出て、忙しそうであったのであきらめることにした。
ふと目を前にやると、「赤石岳」の写真が。
赤石岳のロッジにゆかりがあるのかと思いつつ・・・次回来た時に聞いてみたいと思う。
それにしてもほとんどのお客さんが夕食をしっかり楽しんでいる。ここは近所の人の食堂のような場所なのかもしれない。アルコール飲料の提供もしているそうだ。
以前の浅草特集でも触れたが、浅草は24時間営業の店が多いが、ここ20年はそういった店はほとんどない。そんな中でここは明け方まで開いている。噂によると近くの演劇場から芸人さんが寄ることも多いとか。
レジ入口にたくさんいる招き猫たちに見送られながら店を後にした。
ロッジ赤石
東京都台東区浅草3-8-4
03-3875-1688
営業時間9:00~翌4:00
※日祝は翌1:00
月曜日定休