万年少年少女の為の秘密の小部屋「古本カフェ&ギャラリー 点滴堂」
三鷹は、私がかつて人形作家 木村龍氏の教室の講師をやっていた頃、毎週通っていた、思い出深い土地です。
三鷹駅北口を降り、街路樹の緑の爽やかな駅前通りを5分程歩くと現れる、赤い小さな看板。
ドアの向こうが一瞬本棚のように見えるのは、細い階段に貼られた壁紙の見せるトリックです。
「古本カフェ&ギャラリー 点滴堂」の店主と知り合うきっかけになったのは、かつて存在したフリーペーパー「献血劇場」でした。
叙情的な文章とイラストで綴られる、ノスタルジックな少年少女の住む世界の情景。
「献血劇場」の世界観は、そっくりそのまま「点滴堂」の店内に、再現されています。
ここに来ると、不思議なことに大抵探していた本が見付かるので、帰りには本を抱えて帰ることになります。
時間がある時は、柔らかい光の降り注ぐ窓辺で、丁寧に淹れられたコーヒー(400円)を飲みながら、お気に入りの本のページを捲ります。
その至福の瞬間!本好きの方なら、きっと分かって頂けるかと思います。
お代わりが200円引きというのも、嬉しいサービスです。
新年開けて間もないこの日は、この贅沢な空間をしばし独り占めできました。
お茶請けに出して下さったのは、大きなザラメのくっついたカステラ。
僅か8席のカフェスペースの壁には、「不思議の国のアリス」をモチーフにした絵本などが、トランプや額などと共にディスプレイされていました。吊るされたお月様や雲、文化人形などのディスプレイも可愛い。
古い医療棚の中には、小さなお人形がぎっしり。
微妙な色合いが美しい、コサージュがディスプレイされた棚。右下には、友人の永井幽蘭嬢のCDも。
吉屋信子さんの本がディスプレイされたコーナー。とてもこのお店らしいです。
こちらは天体をテーマにした紙ものなどの販売コーナー。ギャラリースペースとして使用されていて、月に2回ほど展示が変わります。
いつ訪れても優しく迎え入れてくれる、大事にしたい想い出を閉じ込めた、聖域のようなお店です。
※古本カフェ&ギャラリー 点滴堂
住所:東京都武蔵野市中町1-10-3 2F
電話番号:090-6796-5281
営業時間:12:30~21:00、月・火休
URL:http://tentekido.info/